金沢歴活美術史特講「高橋由一」
1828〜1894
①どんな人?
近代洋画の開拓者。
下野国佐野藩の出。つまりは武士階級の出であり同時代の洋画家、黒田清輝が薩摩藩出身のエリートならば由一は泥臭く目的を達成しようとしたある種、起業家精神溢れる雑草魂の男である。
35歳で洋画を志し、41歳の時に明治維新を迎える。
維新後は洋画拡張へ奔走。
②時代は?
幕末〜明治
③どんな時代?
明治維新後の日本は価値観の大変動。
廃仏棄釈にみられるように古来のものがかえりみられず、西洋の文化がもてはやされた。
美術の世界でも(というか“美術”もいう概念と言葉が生まれたのもこの時代)西洋文明の輸入として油絵の具を用いる洋画も普及していく。
④作品の特徴は?
“リアルのようでリアルでない”、“綺麗なようで綺麗ではない”、だけど見ずにはいられない強烈な実存感が由一の特徴。土着的というか粘着質的に対象を描く。
⑤代表作は?
「花魁」
「鮭」